人形がコミュニティボールに向かない理由

哲学対話をする際に、話し手と聞き手をわかりやすくするためコミュニティボール(トーキングオブジェクト)という道具を使います。

このコミュニティボールではなく、人形を代替品として使うファシリテーターがいます。
どうしてもコミュニティボールがなかった場合はしょうがないけど、人形はトーキングオブジェクトとして向かないと思っています。

なぜなら、投げにくい、嫌悪対象になり得る、想いがこもる、という3つの理由があります。

人形は投げにくい。そもそも人形は投げられるために作られていません。手や足をつかんで投げると重さの重心をとらえられず変な所に飛びやすい。頭をつかんで投げて頭が取れてしまったら大惨事です。なので、投げるなら胴体をつかんで投げるしかないのですが、どことなく人を投げることには抵抗あるでしょう。そうすると自然に手渡しになるのですが、近い距離の人にしか渡せなくなり、大人数になった際に遠くの人にわたりにくくなります。

人形、もしくは、ぬいぐるみの種類によって嫌悪対象になる。トーキングオブジェクトとして高価なドールを使うことはありませんが、精巧な人形に対して不気味だと感じる方がおられます。なので、動物やらマスコットキャラクターのぬいぐるみで代用する方もいますが、実はこれも注意した方がいい。
具体名をあげることは避けますが、スポーツチームのマスコットキャラクターのぬいぐるみを使った人がおります。私のようなサッカーチームのサポーターやっているような人になると絶対に認めないチームが存在したりします。そうすると、「なんで、こんなキャラのぬいぐるみ使ってるんだよ(怒)」と、感情が乱れ冷静に対話ができなくなる可能性があります。
人形やキャラクターには人によって好き嫌いがあります。不毛な感情の起伏を生み出す必要はありません。

最後はスピリチュアル的な理由。目、鼻、口が付いている人形やぬいぐるみには持ち主の念がこもりやすいとされています。わら人形のように昔から呪術にも使用されます。今でも、抱きしめたり飾られたりと人の生活の中に溶け込み、人形が持ち主の強い想いを感じ、その人の念を帯びやすいとされている。
確かに科学的な根拠は示すことができません。ですが、古来から言い伝えられているようなことには、今では証明できない何かしらの原理と原則が存在すると思います。実際には魂や念が人形に宿っていないかもしれませんが、それを見た人や使った人が勝手にそう感じるのかもしれません。だとしたら、やはり人形によって不要な感情を作り出す必要はありません。

私はこれらの理由から、哲学対話をする際に使うのは絶対にコミュニティボールでなくちゃいけないと思っています。
コミュニティボールはボールなので投げやすい。腕力がなくても10mくらいは投げられます(遠くに届く)。硬いボールや大きいボールだと突き指する可能性がありますが、毛糸なら怪我をすることは少なくなります。また、毛糸の玉なので受け取るときに掴みやすい。ちゃんと受け取れなくても毛糸に指がひっかかりキャッチしやすい。色んな色を混ぜてコミュニティボールを作れば好き嫌いも起きにくい。コミュニティボールはもふもふしているので、もみもみするとストレスを低減できる。汚れたら洗濯機で洗える。
コミュニティボールの方がメリットが多いと思います。

コミュニティボールを忘れたり、手元にない時は、人形やぬいぐるみなど他のトーキングオブジェクトを使ってもいいとおもいますが、やっぱりコミュニティボールを用意することをおすすめしています。

■■■ コミュニティボールの販売 ■■■
コミュニティボールを1個1600円(消費税・配送料込み)で販売しております。
※コミュニティボールの色はお選びいただけません。
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1)武のSNS、もしくは、以下の問い合わせフォームに必要事項を記入の上お申し込みください。
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3)お振込みの確認ができ次第、発送致します。


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哲学対話すると本が売れる

先日、本を執筆した方をゲストに招いて哲学対話をしました。
そのイベントでふと思ったことがあり、もしかして、哲学対話をしたら本が売れるのかもしれない!?

どういうことか?
哲学対話は人のコミュニケーションなので、目に見える物ではないし、物のようにさわれないし、においを嗅ぐこともできない。姿や形がありません。
そのため哲学対話をするメリットや効果についても定量化、数値化するのが難しいことが課題になっています。
例えば、話が上手になると言っても、何時間話せば必ずそうなる訳ではないし、思考力が上がると言ってもいつまでに身に付くとか断言できません。
だから、話すことが上手になるかもしれない、思考力が身に付くかもしれない、人間関係が良くなるかもしれない、というような”かもしれない”ような説明しかできていません。
※でも、携わっている人は決してそう思っていませんが。

メリットや効果を知らない人に伝えにくい中で、おや!?と思った出来事がありました。
本の著者をゲストに招いて哲学対話のイベントを企画しました。参加者7名、本5冊。持ってきて頂いた本が全部売れたぞ!参加者の7割が本を購入した。
これは哲学対話したことで著者と関係性が生まれ、本の購買意欲を高めたに違いない。そういう仮説が私の中に芽生えました。

なので実際に本を買われた人と話をして確認してみました。

Q.本は年間で何冊くらい購入しておりますか?
A.20~30冊

月に2、3冊購入しているのか?まったく本を読まない私と比べたら本を読まれている方です。

Q.著者が新作発表するイベントにおいて本を買われる習慣はございますか?
A.ありません

本の出版イベントは数多くありますし、普段そういうイベントでは本を買わない人が、このイベントで買うなんて凄いことなのかもしれないぞ。
なので、続けて哲学対話に関しての質問をしてみる。

Q.哲学対話によって著者の価値観を知ることに繋がりましたか?
A.繋がりました!

哲学対話の代表的な効果です。私のイベントにおいても「自分の考えや価値観について話そう」というコンセプトにしています。お互いが自分の価値観について話し合えた結果でしょう。ありがたい結果です。

Q.哲学対話によって著者と少しでも親しくなれたと感じられましたか?
A.感じました!

これも私がイベントで狙っている効果のひとつです。お互いの価値観を知り合えれば自然と親しく(仲良く)なる。膝を突き合わせてじっくり対話をすることで仲良くなれたら幸せなことです。

Q.哲学対話することで本を買う意欲を高まりましたか?
A.高まりました!

本題についてズバリ聞いてみたら、哲学対話で購買意欲が高まるとのこと。若干、誘導尋問に近い質問の仕方ですが、本屋でよくある出版イベントより哲学対話をした方が、本を買いたくなるよう効果があるようです。

実はこれって自然な流れで、著者と参加者はお互いに知らない人同士、知っていても、参加者が一方的に著者のことを知っている関係性です。
そんな状態から始めて、自分の価値観について話す。自分の内面(考え)を開示する。心理学においても自己開示をすると好感も持ってもらえたり、関係性を深めることができるとされています。
お互いの関係性が出来上がれば、もっと著者のことを知るために本を読んでみたくなるし、知らない人から本を買うのではなく、親しくなった相手から本を買いたくなるので購入のハードルは間違いなく下がります。
つまり、本が売れやすくなるのです。
哲学対話をすると本が売れるという側面はありそうです。

ただ、哲学対話だけでなく、今回のイベントではもうひとつ仕掛けがありました。

Q.著者がサインをしてくれることで本を買う意欲を高めますか?
A.高めます!

そう。サイン会の特典がついていました。これは哲学対話とはあまり関係ない側面です。
「本屋で買うとサインが付かないが、今日ここで購入するとサインをもらえますよ!」
というプレミアム感を付加しました。

哲学対話だけの効果としてとらえることができないが、効果がまったくないとも断定できない。
けど、私はすごく大きな効果を与えていると思っています。
どこかの本屋さん、哲学対話をしたイベントを一緒にやってみませんか?きっと通常より本が売れるかもしれません!?


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哲学対話のルール

哲学対話にはルールが存在しています。

どうしてルールが存在しているのか?もし、ルールがなく好き勝手に話し合っていると、それは雑談とかわりがなかったり、対話が討論にすり替わっていたりしてしまいます。
哲学対話は物事を深く考えて探求すること、相手の価値観を知ることです。そのために、ちゃんと深く考えるための方法や相手の考えている内容を引き出しやすくするルールを設けています。

ルールは哲学対話の流派や主催者の好みによって違いありますが、共通しているルールとして「人の話を最後まで聞く」「相手を批判しない」などがあります。

私が哲学対話をする際に設けているルールは以下の6つです。

1)自分の体験談や価値観を伝えよう
2)どんな意見でも受け止めよう
3)お互いに問いかけるように意識しよう
4)話がまとまらなくても、意見が変わってもよい
5)発言せずに聞いているだけでもよい
6)プライベートな内容は守ろう

私が重要視しているのは相手の価値観を知ることです。なぜこのルールにしたのか理由をご紹介しようと思います。

1)自分の体験談や価値観を伝えよう
本に書いてあることやテレビなど有名人、有識者が言ったことは、調べればわかります。発言者本人の考えや意見は含まれません。そういう話はとてもつまらないです。聞いていて退屈。
なので、自分の体験したことや、自分の価値観を話してもらうことをルールにしています。体験や価値観には良し悪しがありません。自分の経験したことは唯一無二の出来事です。その人の体験を聞いた方がよっぽと楽しいので初めに自分の話をすることをルールにしています。

2)どんな意見でも受け止めよう
ひとつ目のルールが自分の価値観について話してもらうことです。それぞれの人が価値観について話をすると中には自分と相容れない意見が出てきます。そうすると否定や批判をしてしまう気持ちが芽生えてしまいます。相手の話を否定すると話したくなくなります。
そうなった際に意識を逆に向けることをルールにしています。相手の意見を認めることと同意することは違います。自分は賛同しないけど、そういう意見も世の中にはあることを受け止めることが対話に必要になります。

3)お互いに問いかけるように意識しよう
参加者同士がお互いに質問し合う、問いかけ合います。
対話の場にはファシリテーターが存在します。私がイベントを主催する時は私自身がファシリテーターとなります。ファシリテーターが参加者を促して引っ張るようなやり方は、主従関係になりやすい。ファシリテーターが先生、参加者が生徒というような立場になります。そうするとファシリテーターが持っている了見以上の対話ができにくくなります。
哲学対話はみんなで考えて探求する場です。なので、ファシリテーターもいち参加者として加わっている方が良いと私は考えています。

4)話がまとまらなくても、意見が変わってもよい
考えというのは話しながらまとまっていくことがあります。なので、話すことがまとまってから言う必要はなく、まとまっていない状態で話して構わない。
また、他の意見にふれることによって、自分の考えが変わることが起きます。哲学対話は討論や議論とは違う。なので、主張を変えずに相手とぶつけ合う必要はありません。
むしろ、考えや意見が色々と変わっていった方が、物事の見方や知識が増えていくことになります。

5)発言せずに聞いているだけでもよい
ワークショップでは、意見ありませんか?どんな風にお考えですか?といった質問をされるケースが多い。その際に無理やり発言しても、良い答えになることがありません。誰かにそそのかされる必要はなく、自分が話したいタイミングで話し手いいことをルールで明文化しています。
ただ、聞いているだけでも頭の中ではちゃんと考えているし、全く発言しなかった参加者が最後に一言鋭い意見を言う場合もよく見かけます。
会社の会議だと発言しない社員は必要ないと言われますが、哲学対話では発言しなくても参加していい場なのです。

6)プライベートな内容は守ろう
個人的なことを話してもらっていると、とてもプライベートな内容で口外しちゃいけないような話も出てきます。安心して話をしてもらうには、自分の知らない所で話が広がってしまうことがないようにしなくてはいけません。そのために、話の内容はその場限りとお願いしています。会の雰囲気を伝える際にも、参加者が特定されてしまうような記載は差し控えてもらうようにしています。

哲学対話によくあるルールの「人の話を最後まで聞く」に関してはルールとしては載せていません。ですが、私はコミュニティボールを必ず使用しますので、ボールの使い方として「ボールを持っていない人は、ボールを持っている人の話を聴こう」と説明しています。ルールではなく運用でカバーしています。

このように哲学対話ではルールがとても大事な役割を担います。
どんな目的のために哲学対話をするのか?どんな風に対話を進めたいのか?それによってルールを作っていくことが必要です。


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どうして対話と会話の違いがわかりにくいのか?

対話と会話、この違いがわかりにくい。

いつも「対話の活動をしています」と説明すると、「対話?会話とは違うの?」という疑問がよく寄せられます。
なので、対話と会話の違いについて説明してみようと思います。

私が説明している対話と会話の違いは、対峙する違いがある話をしているかどうか?ということです。
具体的にどういうことか?
なんの意図もなく、目的が存在していない、好きに話すのが会話。漢字の通り「会って話す」のが会話です。
・昨日行ったランチのお店がすごく美味しかったよ。
・最近肩こりが酷くて辛いんだよ。
・昨日のテレビ見た?
・彼氏がサバゲーにハマって休みの日にデートしてくれなくなったんだ。
というような話は、自由で好きに話していいことばかりだし、その話したことが役に立つとか立たないとか、有意義であるかどうかとか、面白い、面白くないとか関係なく話します。
一方、対話では「対する話」ということになり、何が対しているのかといえば、価値観や主張などお互いが最初から一致していないことについて話します。
・好きな食べ物は最初に食べるのか?最後に食べるのか?
・仕事と恋人のどちらを優先すべきなのか?
・宝くじで100万当たったら何に使う?
などのような、人それぞれで意見が違うことに対して話すのが対話になります。違う意見や価値観について話すから、相手の内面や考え方の背景を知れるようになります。
会話と対話、話すことは一緒です。ですが、話す内容が違うのです。

さらに、もうひとつ対話と会話の違いがわかりにくくなっている理由があります。
それは「対話を経験したことない」です。
対話という手法を使ったコミュニケーションを習ったことありますか?学校や研修などで習う機会がないです。
対話とは何をするものなのかわからない、対話の特徴がわからない、対話による効果がわからない。なので会話との違いもわかりません。
厄介なことに、対話と会話を完全に区別することができないこともわかりにくくなります。
会話している中で対話をするときもあるし、対話している中でただの会話をしていることがあります。つまり、コミュニケーションとして共通している部分が多い。対話的な要素が多く繰り返されているのか?会話的な要素が多く繰り返されているのかで区別するしかありません。
特徴となる要素にあたるのは、受け答えをするときのフレーズと対話にはルールが存在しています。
理由を聞くために「なんで?」「どうして?」「具体的には?」ということを聞いたり、話の観点を変更するために「そもそも~」「もし反対の立場になったら?」「あれとこれの共通点はあるかな?」というフレーズを使います。
主催者によってルールが違いますが、対話の場には必ずルールが存在します。
私が主催するときに使っているルールは6個。
1)自分の体験談や価値観を伝えよう
2)どんな意見でも認めよう、受け入れよう
3)お互いに問いかけるように意識しよう
4)話がまとまらなくても、意見が変わってもよい
5)発言せずに聞いているだけでもよい
6)プライベートな情報は守ろう
普段の会話にはルールなんて存在しないので対話の特徴になります。

このように、対話と会話には話をする目的意識が違うこと。また、対話を経験したことないから、対話の特徴が知らない。これらの理由によって、対話と会話がわかりりくくなっているのです。
なので、対話を知るためにはイベントに参加して体験するのが一番だと思っています。


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底辺校から国立大学に現役合格

都立大山高校は学力(偏差値39)が低い学校です。
卒業生のほとんどが専門学校か就職します。
そんなレベルの学校から現役で国立大学の合格者がでました。
国立山梨大学に合格。それ以外にも、沖縄県立芸術大学と上智大学にも合格者が出ました。
どうして合格できたのでしょうか?
これらの大学に合格した生徒には「哲学対話」をしていたという共通点があります。

哲学対話とは、自分が興味関心あることに対して問いを持つこと。その問いを自分の頭で考えて、自分の言葉で話すこと。対話なのでひとりではなく、価値観が異なる他の人と一緒に話し合って、相手の意見を聞くこと。
この、問う・考える・話す・聞く行為を哲学対話と呼んでいます。

哲学対話の効果とは?物事を深く色んな方向から考えるられるようになること。
なぜなら、対話中に問い掛けを何度も何度も繰り返すことをするので表面的な意見ではなく深い意見になっていく。そして、自分と違う考えの人と意見を交わすことで多様な見方ができるようになるからです。
やみくもに考えていたり、悩んでいても発展や進展は起きません。哲学対話の手法による考え方の地図を身に付くようになると、学問を学ぶことはもちろん、普段の生活や、将来社会に出た時にも、転用できて役に立ちます。

国立大学には指定校推薦がないので、受験して合格しなければ入学できません。勉強は自分でやらなくてはいけない。
親や教師から勉強しろ!大学に行きなさい!と言われても、本人が納得していなければ勉強しないし、大学受験を真剣に取り組みません。
そのために必要なことが、主体性を持つことと、動機付けが大切です。

哲学対話でよる出る問いのひとつに「どうして大学に行くのか?」があります。
普段ではむしろ問いてはいけないことかもしれません。しかし、哲学対話ではこのような問いについても真剣に考えます。

・親とか先生が大学に行け!と言っているから。
・みんな大学に行っているから大学くらいは出ておかないと恥ずかしい。
・大卒の方が就職に有利。
・社会に出たくないから

このような回答する生徒が実際には多いです。
大学で特定の分野を勉強したい、研究したいという生徒は少ない。
だからこそ、深く問うことが大切になります。

・親が大学に行かなくてもいいと言ったら、卒業後に何をしたい?
・みんなって具体的には?(誰が大学に行っているのか・何人が大学に行ったのか)
・大学を卒業できないと恥ずかしいことなのか?
・大卒だと就職が有利になるのか?(大卒でフリーターもいますよね)
・どうして社会に出たくないのか?(どうして子どものままで居たいのか)
・大学とは何をする所なのか?
・大学での勉強と高校での勉強は何が違うのか?
・大学を卒業したら何をしたいのか?
・専門学校ではどうしてダメなのか?
・自分がやりたいことを学べる大学はどこか?

など、どうして大学に行くのか?だけでも色んなことを考えられるのです。
回答した内容をさらに掘り下げることができるので、自分の本心から理由を見つけられるようになります。
自分自身が本当にしたいことを見つけられる。誰かから言われたことではなく、自分がどうしたい、どうありたいという主体性を持てるようになる。やりたいことが見つかれば、勉強をするにしても、何をするにしても、揺るがない動機づけにつながります。

主体性を持つことや、動機付けは、哲学対話がもたらす代表的な効果です。

もちろん、国立大学に合格した生徒達は元々賢かったのではないのか?ようは哲学対話をしていなくても大学に合格したのではないのか?という疑問はもちろん出てくると思います。
確かに哲学対話をしていなくても大学に合格していたかもしれません。しかし、哲学対話をしなかった状態で大学受験することは二度とできないし、時が経っているので本人の学力も変わっているでしょう。
この疑問に関しては、哲学対話をしたから大学に合格した、ということも、哲学対話をしなくても大学に合格した、哲学対話をしなかったから不合格になった、まで含めてどれも確証になりません。推論での話です。

私たちが外部から都立大山高校の学力向上でサポートしていて推測したことです。

国立大学に合格した生徒は哲学対話をやっていた。哲学対話には自ら学ぶ力を鍛える効果がある。
哲学対話で学ぶ力が向上した結果、国立大学に合格した。

現役で国立大学に入学する、生徒の学力を上げるために、哲学対話を導入してみてはいかがでしょうか。
哲学対話の効果が感じなければやめればいいだけの話です。哲学対話で学力が上がっても、今以上に下がることはない。まずは取り組んでみることをお勧めします。


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お二人は名刺交換してなかったの!?

その場に居た方に言われたフレーズ。
「お二人は名刺交換してなかったのですか!?」

初対面の方1名を入れて、3人で話をしている中、よくある名刺交換のタイミングになりました。
初対面の方とは、よろしくお願いします!という展開なんですが、もうひとりの方とも、そういえば名刺交換してませんでしたね!と名刺交換した。
そこで、ビックリされたのが、親しそうにしていたのに名刺交換してなかった。さらに、実は2回目の対面であったことです。

2度目の対面なのに親しくできた理由は、間違いなく対話をした仲だからです。

初めてお会いしたのは哲学対話のイベントで、その方は参加者でした。
そこで小1時間ほど対話をした関係です。
2度目に対面した時、お互いにまったく気を使う感じがありませんでした。知らない仲ではない関係性がありました。
これは哲学対話の効果なんだと、つくづく実感します。

哲学対話は自分の価値観を話します。そして、相手の話を聞いて理解を深める。人柄を知る。お互いに仲良くなる効果があります。
話をする、話を聞くというコミュニケーションの基本を行う。話をしなければ自分のことは相手にわかってもらえない。自分が話したいことを考えているのではなく、相手の話に耳を傾ける。コミュニケーションの一番基本となることをしています。
対話を通してお互いに自己開示をし合うから、人間関係が仲良くなります。

哲学対話の手法はとてもシンプルです。
話をする。話を聞く。自分の頭で考える。
流行りのテクニックは必要ありません。
本当に有益なことは小手先のことはなく、誰にとってもわかりやすい、取り組みやすいようになっています。
仲良くなるために哲学対話をやってみることをおすすめします。


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哲学対話とは何か?

哲学対話とは、自分が興味関心あることに問いを持ち、その問いを考えて、考えたことを言葉にして話し、他の人の意見を聞くこと。
過去の哲学者が書いた本を覚えるのではなく、自分の問いを持って探求し続ける姿勢や行動が哲学対話です。

哲学対話の原型はアメリカの哲学者マシュー・リップマンが考案した「子どものための哲学 Philosophy for Children」です。
1969年にコロンビア大学の大学生たちが論理的に考え、健全に判断する能力に欠けていることを深く憂慮し哲学に基づくカリキュラムを作り上げました。
子ども達が自分自身で考える力を身につけ、思いやりと責任をもって、その考える力を使えるようになることを目指しています。

哲学は、人生や世界、ものごとの根源のあり方とか原理を、人間の理性によって求めようとする学問です。
哲学と聞くと、多くの人は、実生活や社会に役に立たないとか、難しそうとか、何だかよく分からないことを考えているとか、変人がすること、というイメージを持っていると思います。
私もそのように思っていました。今でもそう思っている部分がなくなってはいません。でも、私は哲学対話の取り組みを精力的に行っています。
なぜなら、世の中に不要な学問ならば「哲学」がなくなるはずですが、なくならないのには何かしらの理由とか「哲学」が役に立つことがあるからです。

哲学には色んな側面がありますが、その中の「本質的なことを探求する姿勢」という一部分を取り出して、大人はもちろん、子どもにもできるように作られたのが「哲学対話」です。
哲学なので、必ず問いから始まります。
別に「愛とは何か?」「正義とは?」「美しさとはなに?」というような考えるのに途方に暮れるような問いである必要がありません。「朝ごはんに何を食べるのか?」「恋人とデートでどこに行きたいか?」「何度も見たい映画とは?」というような身近な出来事で構いません。
朝ごはんに何を食べるのか?なんて、人によって違います。白米の人もいれば、パンの人もいる、牛乳だけとか、フルーツだけとか、私みたいに朝ごはんは食べないという人もいるでしょう。
そして、朝ごはんという問いを掘り下げて疑問も持つようにすると、「どうして朝ご飯を食べる(食べない)のか?」「理想的な朝の過ごし方は?」「人は一日に何回食べるのがいいのか?」というように探求すると、相手の内面や理由・価値観を知れるようになり、または、みんなに共通するような部分を発見できます。
その共通する部分(本質的なこと・根源・原理)をお互いに知ることで、理解し合える、分かり合えることが生まれます。
多様化がどんどん進む時代の中で、みんなが自由な生き方を認めると同時に、お互いが人間社会全体を一緒に作っていくことも、話し合うことで認識できるようになります。

人間のコミュニケーションは話すことと聞くことです。ですが、ちゃんと自分の意見や考えを話せない人や、ちゃんと相手の話を最後まで聞けない人がいます。
哲学対話では対話にルールが必ず存在していて、話す人が上手い下手に関係なく安心して最後まで話せるためのルールや、人の話をちゃんと聞く仕組みが埋め込まれています。
なので、哲学対話はコミュニケーションをするための基礎を鍛えなおせる、身につけられます。

ITによって人が直接コミュニケーションする機会は減りました。生き方も多様化し細分化しています。その反動として人がつながること、共通点を見出すこと、お互いが自由に生きて共存することがが今まで以上に必要になっている。そのためにも「哲学対話」が必要になっています。


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第30回 2018年12月22日(土)〔渋谷〕
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ファシリテーターは千手観音を目指せ

千手観音のように、どんな相手だろうと適切な対応ができるファシリテーターを目指すべきでしょう。

千手観音はご存知ですか?
このような仏像です。

直接ではなくても色んな形で見られたことがあると思います。

千手観音(千手千眼観自在菩薩)は多くの迷える人々を救うために変身した観音様の一つのお姿です。
手が沢山あるのは絶対に救いたいというその覚悟の現れです。沢山ある手には持物(じぶつ)とよばれる仏さまの持ち物を持っています。
それぞれの手には蓮華や水瓶から、仏様の教えと救済を象徴する鉄鉢や数珠などの法具、煩悩や迷いの心を退散させる武器、五穀豊穣を意味する葡萄、全ての鬼神を操るドクロ杖、難病を払いのける柳など、人々のどんな願いでも聞き届けられるように、いろんな道具を持っています。
つまり、相手によって一番適切な道具を与えられるように引き出しをたくさん持っています。

これは、ファシリテーターにも必要なポイントだと思うのです。

ファシリテーターは多くの人を前にして、多様な人たちと場を作ります。
参加者には本当に色んな人はいて、意識が高い人・低い人、頭の回転が速い人・遅い人、知識量が多い人・少ない人、積極的な人・消極的な人、協調性がある人・ない人、おしゃべりな人・あまり話さない人、職業、生い立ち、性別など、多様です。
そんな多様な人が集まっている中で、ファシリテーターもひとりの人。やり方や進行にも得意・不得意が存在します。意外とファシリテーターにはタイプがあり、やり慣れたスタイルを持っています。
※ちなみに私は、放任で可能な限りコントロールをしない、話が飛んでもいい、楽しく対話をすることが最優先なスタイルです。
なので、ファシリテーターは本来、自分のスタイルで進行をするのではなく参加者に最適なスタイルを臨機応変に実行できるのがよい。
そういう意味でファシリテーターは千手観音を目指すべきだと思っているのです。

ただ、参加者の特性を見極めるのは簡単ではない。
ファシリテーションに正解があるわけではないし、都度、相手が変われば内容も変わる。限られた短い時間だけで相手の内面をくみ取るのだから観音様と同じような技量が必要そうです。
上手に進めるには参加者とこまめに確認をして、進め方と内容を修正・変更するのがファシリテーターに不可欠な要素だと思います。


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対話の起源「ソクラテス式問答法」

対話の原型をはじめられたのはソクラテスとされています。
※ソクラテス自身は文献を残してなく、弟子のプラトンが書いた本にソクラテスが対話をしている紹介があります。

ソクラテスは街のあちらこちらで、そこにいる人々と対話を始めます。近況を尋ねる挨拶や、時事的な話題など話しながら、「正義とはなにか?」「強さとはなにか?」といった本質的な問いを投げかけて、相手の考えを聞き、哲学的な対話に相手を巻き込んでいきます。

正義とはなんだと思う?
悪を打ち負かすことだよ。
どういうことが悪なのか?
例えば人の物を奪うことだよ。
それならば、戦争で勝利し相手の領土を奪うのは悪?
いや、戦争は勝ったから正義。。。

このような相手がわかっていると思っていることの矛盾点を指摘しながら、本当の正しい認識にたどり着けるように対話(問いかけ)をしました。
その問答法や対話術を「ソクラテス式問答法」と呼びます。

ソクラテスは「無知の知」というものを唱え、知ったかぶりになるのではなく、「自分は知らないということを知っている」、つまり、常に本当の知を得ようとする姿勢が大切だと説きました。

相手と対話をしながら探求する、哲学的に思考を深めていく、対話の起源はソクラテスが始めた問答法にあるのは間違いないでしょう。


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哲学対話は生きる姿勢を育む

私は哲学対話の活動に取り組んでおりますが、哲学という学問を学んだり教えたりはしていません。
哲学とはまったく無縁で、高校時代に「エロス」「アガペー」という男子が好きそうな単語しか覚えていません。
今でも学問として哲学が詳しくなっている訳ではなく、意識して哲学を学ぼうともしていません。
では、何をやっているの?というなら「哲学をすること」に取り組んでいます。

哲学をするということはどういうことなのか?

物事や教えに客観的な裏付けはあるのか?道徳や美意識の土台にあるものは何なのか?法律や権利といったものに正当性があるのか?それらについて先入観や偏見にとらわれないで、物事の本質を自分から問い、考えることが哲学をすることです。

哲学者カントも「哲学を学ぶより、哲学をすることを学べ。」という言っています。

グローバル化した社会では、多様な価値観や文化、行動、習慣を持っている人と出会います。その時に、自分の価値観や考え方にとらわれて、異なる考えを拒否してしまうと、これからの社会で生きる可能性が狭まります。
そして、変化のスピードが速く、不確かなことも多く、正解のない問題や想定外の事態、明るい未来が見えない時代であり、決まり切った生き方や人並みの人生が送りにくくなっています。

このような時代背景の中では、常識や流行、思い込み、偏見など、前提になっていたものを疑うことが必要になります。
いい学校やいい会社に行くと幸せな人生になるのか?
20代後半までに結婚した方がいい?
朝の9時から始業開始しなければならない?
港区に住む人はみんな金持ち?
など、日常生活の出来事や身近にあることを通して改めて問いなおす、意味や価値を判断しなおす姿勢が大切になります。
哲学することは、人間が生きていく中で価値観や考え方、生き方の根底になるものです。自分が前提としてきた価値観を押し通すのではなく、自分と異なる価値観も受け入れ、相手を理解して、良い所は取り入れて、自分なりの考え方を常に更新する姿勢が生きていくために必要です。

「哲学をすること」は、自分で「どう生きるかを考えること」につながるのです。


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