哲学対話とは何か?

哲学対話とは、自分が興味関心あることに問いを持ち、その問いを考えて、考えたことを言葉にして話し、他の人の意見を聞くこと。
過去の哲学者が書いた本を覚えるのではなく、自分の問いを持って探求し続ける姿勢や行動が哲学対話です。

哲学対話の原型はアメリカの哲学者マシュー・リップマンが考案した「子どものための哲学 Philosophy for Children」です。
1969年にコロンビア大学の大学生たちが論理的に考え、健全に判断する能力に欠けていることを深く憂慮し哲学に基づくカリキュラムを作り上げました。
子ども達が自分自身で考える力を身につけ、思いやりと責任をもって、その考える力を使えるようになることを目指しています。

哲学は、人生や世界、ものごとの根源のあり方とか原理を、人間の理性によって求めようとする学問です。
哲学と聞くと、多くの人は、実生活や社会に役に立たないとか、難しそうとか、何だかよく分からないことを考えているとか、変人がすること、というイメージを持っていると思います。
私もそのように思っていました。今でもそう思っている部分がなくなってはいません。でも、私は哲学対話の取り組みを精力的に行っています。
なぜなら、世の中に不要な学問ならば「哲学」がなくなるはずですが、なくならないのには何かしらの理由とか「哲学」が役に立つことがあるからです。

哲学には色んな側面がありますが、その中の「本質的なことを探求する姿勢」という一部分を取り出して、大人はもちろん、子どもにもできるように作られたのが「哲学対話」です。
哲学なので、必ず問いから始まります。
別に「愛とは何か?」「正義とは?」「美しさとはなに?」というような考えるのに途方に暮れるような問いである必要がありません。「朝ごはんに何を食べるのか?」「恋人とデートでどこに行きたいか?」「何度も見たい映画とは?」というような身近な出来事で構いません。
朝ごはんに何を食べるのか?なんて、人によって違います。白米の人もいれば、パンの人もいる、牛乳だけとか、フルーツだけとか、私みたいに朝ごはんは食べないという人もいるでしょう。
そして、朝ごはんという問いを掘り下げて疑問も持つようにすると、「どうして朝ご飯を食べる(食べない)のか?」「理想的な朝の過ごし方は?」「人は一日に何回食べるのがいいのか?」というように探求すると、相手の内面や理由・価値観を知れるようになり、または、みんなに共通するような部分を発見できます。
その共通する部分(本質的なこと・根源・原理)をお互いに知ることで、理解し合える、分かり合えることが生まれます。
多様化がどんどん進む時代の中で、みんなが自由な生き方を認めると同時に、お互いが人間社会全体を一緒に作っていくことも、話し合うことで認識できるようになります。

人間のコミュニケーションは話すことと聞くことです。ですが、ちゃんと自分の意見や考えを話せない人や、ちゃんと相手の話を最後まで聞けない人がいます。
哲学対話では対話にルールが必ず存在していて、話す人が上手い下手に関係なく安心して最後まで話せるためのルールや、人の話をちゃんと聞く仕組みが埋め込まれています。
なので、哲学対話はコミュニケーションをするための基礎を鍛えなおせる、身につけられます。

ITによって人が直接コミュニケーションする機会は減りました。生き方も多様化し細分化しています。その反動として人がつながること、共通点を見出すこと、お互いが自由に生きて共存することがが今まで以上に必要になっている。そのためにも「哲学対話」が必要になっています。


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